テーブルウェアとして輝く
“本物の道具” としての魅力。
工場を訪れたモリソンさんは、「南部鉄器は、本物の道具だ」と言い、使い込むほどに、使う人の個性が映し出されるような、一生の道具としての在り方や、長い伝統の中で培ってきた機能美を、さらに高い次元へと引き上げられないかを模索しました。
モリソンさんは数多くのデザインプロジェクトに参加していますが、実は鉄鋳物を扱うのは初めてだそう。製造プロセスを丁寧にリサーチして打合せを重ね、デザインの過程ではディテールを何度も調整し、現代の洗練された暮らしの空間に見事に調和する普遍性の高いシリーズ「Palma」（パルマ）が完成しました。
南部鉄器の代表格で、楕円球が定番のかたちである鉄瓶を見たモリソンさんは、お湯を沸かす道具としてケトルの製作を提案してくれました。これは私たちの伝統的な製法にはない新しいフォルムの追求となり、これまでにはない割り型の開発を行うなど、試行錯誤を繰り返しながら、既存の枠にとらわれない製法を編み出すことに成功しました。ラインナップには「スパイス・コンテナー」も加わり、キッチンだけでなくテーブルウェアとしての南部鉄器の可能性が広がるきっかけとなりました。
テーブルウェアのさらなる
可能性を広げる新しいコレクション
2017年には、Palmaの新シリーズ、ティーポットとウォーマー（スタンド）、ラウンドとオーバルのプレート2種が誕生しました。鉄鋳物らしい無骨でどっしりとした質感を持ちながらも、やわらかくやさしいフォルムは、シーンを選ばず様々な空間にマッチします。プレートには茶菓子を添えたり、ソーサーとしても使え、多様なアレンジを愉しむことができます。
ジャスパー・モリソン Jasper Morrison 1959年、イギリス・ロンドン生まれ。一貫した謙虚な姿勢で、新しいデモクラティック・デザインを探求している。素材や製造過程にこだわった実用的 かつ独創的なデザインは、インテリアの著名ブランドか らの信頼が厚く、ヴィトラ、アリアス、アレッシィ、フロス等 から製品を発表している。近年は、時計のラドーや、靴のカンペールからも展開し、幅広い分野に於いて活躍。 jaspermorrison.com
ジャパンクリエイティブ Japan Creative 日本のものづくりの新しい価値を国内外に発信する活動体。日本の美意識を支えるものづくりの現場と、グローバルで活躍するデザイナーを結びつけ、伝統工芸、伝統産業、先端技術を多角的な視点から捉えなおすことで、現代の生活に沿った新たな価値を生み出し、それらを展覧会、出版、製品化、トークイベントなどを通して発信・提案しています。 www.japancreative.jp
