マルット
鉄瓶型のまるっとまるい空間で、
ていねいにおいしさを引き出します。
美しく空間を包み込むような丸いカタチは、この土地の300年を超える鉄瓶の伝統技術と及源鋳造に受け継がれてきた鉄鍋の手作りの知恵があってこそできました。しっかりした鉄蓋によって、さらにおいしさを閉じ込めます。見た目にも愛着の湧く、まるっとまるいマルットは、職人のおもいがまるっと込められた料理のための本格的な道具です。
ソリット
絶妙な角度にそった深い側面
ただものじゃない一生もののベーシック。
側面とハンドルの深さと角度は、普遍的なカタチだからこそこだわり抜いたディテール。鉄鍋で料理する醍醐味を約束します。伸びやかなハンドルを握った瞬間、あなたの右腕に。レザーのような質感は握るたびに手に馴染み、滑り止めの効果もあります。付け根のくぼみに親指を添えてみてください。洗浄時や持ち運びの際に、鉄の重みが軽減します。
例えば、肉をローストする典型的な方法。
まず表面を直火で炙る、またはフライパンやプランチャで焼き色をつける。次は、乾燥に気を付けながらオーブンへ入れてじっくり時間をかけて火を入れていく。途中で皿やバットに取り出して休ませて…。いくつもの調理器具を組み合わせて完成させます。
だけど、
マルット&ソリットなら、
あたりまえにもっとおいしいを、
鉄鍋一つだけでつくりあげます。
分厚いブロック肉もみずみずしいごろっと野菜も、皮のまんま丸ごと入れて蓋をして火にかけたら、瞬間的にうまみが中でふくらみます。
鋳鉄素材による火入れの特徴は、厚みがあるからこその「蓄えられた熱」と「輻射熱」。
高い保温性が熱ムラを作らず、食材の表面に均一で効果的な熱を伝えます。同時に、太陽の光で体の中から温まるように、芯からも熱が入ることで、食材が持つ味の可能性を引き出していきます。独自の仕上げ技法ネイキッドフィニッシュで、鋳鉄の輻射熱が約2.5 倍になるというデータも。
※輻射熱とは:電磁波が空間を伝わり、物体にぶつかる際に放出される熱のこと。
繊細にコントロールされた熱を遮断する層が無いからこそ実現できる味があります。
世界初の仕上げ技法「ネイキッドフィニッシュ」は、2003 年にOIGEN で誕生。フライパンや鍋に一般的に使われる化学塗料やほうろうなどのコーティングなしで、錆を防ぐだけじゃなく、使用感を向上させた画期的な技法です。
高温や急激な温度変化によるコーティングの欠損や食材混入、ケミカル臭の発生などの心配はありません。
やさしい火入れも、瞬間火入れもマルット。
ふっくらした形状が生み出す料理には驚きがいっぱい。
安定した温度帯を保てる鋳鉄素材と熱を逃しにくい空間構造により、じっくり時間をかける低温調理は大得意。心配な食材の表面の乾燥は、対流蒸気によるスチームオーブン効果で防ぎます。鉄鍋が料理をしてくれる感覚は新鮮なはず。フタを使えば蒸し焼きもでき、慣れてきたら、あえて温度を上げて爆発的な瞬間調理にも挑戦して欲しい!
しっかり熱を蓄えて高温にも耐えるタフなソリット。
香ばしい香り、美しい焼き色、食材を切った時の断面で分かる実力。
外だけ焦げて中はナマ…高温調理の難しさを、理想の余熱調理の実力が解決してくれます。表面温度を高く上げて余計な水分をとばし、食材の表面をパリっと仕上げながら、火を止めた後の安定した緩やかな温度降下でうまみを閉じ込めるのはお手のもの。深めの設計で、側面も活用できるよう考えた構造です。
What can a pan do for a chef?
料理人にとってのフライパンって?
食材の表情がよく分かって、対話ができるのが鉄器だね。若い料理人こそ使うべきだよ。自由自在に熱をあやつることができて、火入れの可能性が無限大に広がるから。鉄器が勝手に料理してくれるよ!ロレオール田野畑 伊藤勝康 いたずらっ子のように言い放つと、お決まりの腕組みと満面の笑顔。彼の手にかかればマジックのように鉄鍋の中で食材が変わる。鉄鍋に出会って、ほれ込んで、「俺流」に使いこなす。岩手の「食」を力強く引っ張るシェフの言葉は、いつも私たちの背中を押してくれる。
そこにはしゃれた最新の調理機材なんて何一つなかった。でも気が付いたんだ。プロのシェフに必要なのは、火とこの腕だけだって。Jared Ingersoll スタッフとのあるディナーの席で、右腕を指さしながらやさしい笑顔でそう言った。2011年頃、彼は経営していたレストラン数店舗を全て閉店し、ポップアップでのイベントなどで料理の腕を振るっていた。シドニー在住。長年、食材のサステナブル調達に取り組み、小さくとも情熱に溢れた生産者の支援を行う、オーストラリアの料理界の重鎮の一人。
どうやって料理がおいしくなるかって知っている?究極は二つしか要素はないんだよ。一つは生態系から考える食材、そしてそれを変化させる熱。アルケッチャーノ 奥田政行 あるディナーイベントで、スタッフのそばにちょこんと座り、内緒話でもするかのように小さな声でささやいてから、ニカッと笑った。イタリア料理アルケッチャーノをはじめいくつものレストランをプロデュース。日本のローカルガストロノミーをけん引し、地元山形県庄内の「食による地域創生」の立役者。
食材に熱を加えてもっとおいしくするのが、料理人の仕事だと思います。BOTANIQUE 山口杉朗 帰国時にOIGENを訪問した際、隣で説明をしていたスタッフに穏やかな口調で教えてくれた。マルットの試作の段階から気に入り愛用している。「これ(マルット)で人生観変わりました」とまで言ってくれたことが、開発スタッフの何よりの励みとなった。23歳で渡仏。2015年自身のレストランBOTANIQUEをパリに開業。日本が世界に誇る若手シェフの一人。